山口創先生の講義の中で取り上げられた「タッチをする人の意図の有無」。
意図を‘‘持つ‘‘タッチ、つまり相手に「良くなって欲しい」「気持ち良さを感じたらよいな」など、相手の幸せを幸せを願い、思いをこめながらタッチングをするグループと、施術者がそのような感情を持たず‘‘無‘‘の状態で施術するグループの比較実験です。
結果は、前者は施術者の思いが反映し、受け手の感情や感覚も喚起され、オキシトシン分泌も増加するとの事。
そして後者の場合は、その時に受け手が欲している喜び、安心感、幸せや愛情が感じられる(つまり受け手の感じ方がそれぞれ違う)、という結果になったのです。
どちらが良い・悪いということではなく、受け手がどのような状態であるのが望ましいかで選択するのが良いのでしょう。
看護や介護の場面では、‘‘意図をする‘‘タッチが大変効果が高いようです。
私自身のサロンワークでは、‘‘意図しない‘‘タッチを心がけています。
というのは、つい「上手な施術をしよう」「良くしてあげよう」という思いに囚われがちになってしまうからです。
上記の結果からすると、そのような気負った思いも受け手の方に伝わり、心地よくない施術になりますね。
受け手の体の状態を感じ、ひたすらついていく事に徹すると、受け手は感情や感覚やからだそのものの‘‘自己調整力‘‘を発揮することが出来るのだと思います。
トリートメントを受けている時、自分のからだの状態を感じたり、様々な思いが巡り、それらが「気づき」につながっていくことがありますが、それは賢いからだの調整力のひとつなのだと思います。
受け手のからだの叡知を信じることが、施術者にできる数少ないことなのかもしれません。